2022 年度 FIT 入試第 2 次選考概要(A 方式)

 2021 年 月 25 日(土)に実施された慶應義塾大学法学部 FIT 入試(方式)の第 次選 考の概要は、次の通りです。

1.模擬講義の概要 ・講義のテーマ:「多様性」の過去と未来

・講義の概要:
1 「多様性」のユートピアと多文化主義の「死」?
2 「アメリカ型多様性規範」の過去と現在

(1) 「多文化主義」と「同化主義」
(2) ネイティブ・アメリカンの同化と排除
(3) アフリカン・アメリカンの歴史的経験
(4) 「多文化主義」の定義
(5) 『独立宣言』(
1776)起草者による奴隷所有
(6) 女性解放運動と『所感の宣言』(
1848)
(7) 参政権の歴史、公民権運動などのマイノリティの権利獲得運動
(8) 「積極的措置政策(アファーマティブ・アクション)」の発展と後退

3 日本における「多様性・ダイバーシティ」の受容史
(1) データで見る「多様性・ダイバーシティ」の受容史
(2) 格差是正や補償的正義とは乖離した「人材管理」としての「ダイバーシティ・マネ

ジメント」
(3) 日本版「多様性・ダイバーシティ」における差別・格差の放置 (4) 近時の「多様性」の包摂と戦略的区別

まとめ:誰一人取り残さない:SDGs 実現のための「多様性規範」の再構築 *大学 年生が受講して理解できるレベルの講義(50 分)を行う。

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2.論述試験の概要

・論述の設問内容:講義の内容をふまえたうえで、社会における多様性のあり方について、 あなたの考えを述べてください。

・解答の形式:A3原稿用紙形式・2240 字以内。 ・試験時間:45 

3.口頭試問の概要

・テーマ(法律学科): 「日本では自殺は犯罪ではありませんが、これを手助けする行為は犯罪にあたります。その ため、治る見込みのない重病患者が自殺を望んだとしても、医師の援助を受けることが困難 です。数年前、そのような患者が日本から外国に渡り、自殺を援助する団体の医師の協力を 得て自殺した事例がありました。その国では、一定の範囲で自殺を援助する行為が認められ ているからです。このような日本の現状の是非について意見を述べてください。」

・テーマ(政治学科): 「これから、夫婦の姓ないし苗字に関する制度について、質問します。日本では、男女が、 法律上の結婚をするためには、一方の姓を選び、他方がその姓を変えなければなりません。 そのため、男女が別姓のまま婚姻届を提出しようとしても、その届出を受理してもらえず、 法律婚をすることができません。このような制度について、あなたはどう考えますか。」

・受験生は、教員から口頭で与えられたテーマについて、質疑応答を行う。 ・口頭試問時間:約 15 
・その他:口頭試問の開始前に 
分で自己アピールを兼ねた自己紹介を行う。

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